チューリッヒに行ってオペラを見てきました。
# ヨーロッパにいると、こういうことには恵まれています。
これまでに各地で15回以上見ました^^.。
演目はロッシーニの La Cenerentola(シンデレラ)。 タイトルロールは以前(白ばらのメーリングリストで)話題になった 「あの」チェチ−リア・バルトリ(29歳、メゾ)!! のはずだったので とても 楽しみにしていたのに、1週間くらい前になって 急のキャンセル。あーなんとも残念。 (話では彼女は sick だそうだ。でもこれが風邪なのか、重い病なのか、あるいは単に声の調子がさえないから取り止めたのかは実の所分かりませんねえ) しかし代役の Lucia Rizzi も素晴らしかったし、他の面々も揃ってみんな うまかったので、十分に堪能してきました。
# あえて批評するなら、彼女は中高音部と低音部の声質が違っている点が やや気にかかった。でも下のGから上のハイb(hだったかも知れない。忘れた)までよく出していて、立派なメゾです。やや背の小さめのヒロイン(彼女もまた若くて美人)の方がかえって、有名な貫禄のあるスターよりもシンデレラらしさがでて良かったのかも。とはいえやっぱり一度は超スターを聴いてみたかったなあ。
チューリッヒのオペラハウスは馬蹄型劇場で、ウィーンやミュンヘンに比べると やや小さめ。それに私の席が舞台から20メートルと離れていないボックス席の 一列目、という最高の席だったこともあってか、単にクラシックを聴くというよりは 舞台と一体となって間近で演劇を楽しめたのでした。舞台のつくりも、 また歌手も、歌はもちろんのこと俳優・女優としての演技も見事なもので、 見ても楽しく、レチタティーヴォでは観客の笑いが絶えず、また歌の最中でさえ、しばしばどよめきが起こったほどでした。どうやら観客は舞台の言葉が分かるようで、字幕もないのに不思議だなと 思っていたものの、しばらくして合点。ここはスイスだから、ドイツ語圏の チューリッヒ人も学校でイタリア語(かフランス語の少なくとも一つは)を 習っているのです。そしてオペラに来るようなインテリ層であれば、舞台を見て イタリア語の台詞くらいはちゃんと理解できるに違いありません。
ふだん同じスイスとはいえ、自分の話す言語以外に全く興味のないフランス語圏 (スイスロマンドと言う。 # NHKラジオなどで割とよく名前の出てくるスイスロマンド オーケストラは、ここジュネーヴのヴィクトリアホールが本拠地です。)のジュネーヴに居るだけに、ちょっと新鮮な発見でした。 観客が言葉を解するとその分オペラが身近な演劇となり、芝居的要素が増すようです。 そうでない場合は(日本もそうだが)どうしても取っつきにくい「クラシック音楽」 になってしまう傾向があるようで。 どちらにしてもオペラが「社交場」であることには変わりありませんが。
今回はキャンセルだったものの、チューリッヒは結構な穴場なようです。 やはりキャンセルでしたが、別の日の「サムソンとデリラ」ではかの有名な ホセ・カレーラスが歌うことになっていたようですし。 ただお値段はヨーロッパにしてはやや高めと言わざるを得ません。有名歌手の 来るときは、最高席(S席相当)で 270スイスフランというから2万5千円近い わけです。今回は代役になったので101フラン返金されましたけど。 スイスは何をするにしても高い国です。
# 食事代などの生活費は東京の比ではありません。高いのなんのって。
先週は(それまで3週間ずっと晴れのいい季候だったのに)旅行に出かけた 週末に限って雨が降り続け、日中の気温も29度から一気に12度まで下落しました。 かろうじて長袖を持って行ったくらいの準備しかなかった私は、チューリッヒとルツェルンの川沿い・湖畔を歩きながらぶるぶる震えておりました。寒かったぁ。 少しだけ太陽が顔を出したときのありがたさと言ったらそりゃもう。 今日になってようやっと天気も気温も回復したようですが、今週はしばらく 肌寒い日が続いていました。東京はじめじめと暑いのでしょうねえ、と思ったら 昨日なんかは長袖がちょうどいいくらいだったとか。
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