氏名翻字

 パスポートに記載されるアルファベット綴りは規則で決まっています。例えば佐藤さんは Satou ではなくて、Sato、太田さんは Oota ではなく Ota となります(応田さんであっても Outa ではないのだそうです)。そうすると小原さんと大原さんは両方 Ohara になってしまいますね。ただし 2000年4月からは長音を表すのに h を入れて表記してもいいようになりました。

 一方、個人的に使うペンネームなどは自由に綴って構わないわけで、結構こだわりを持っている人も多いようなので、友人の中から少し例を挙げてみましょう。

大畑:Oh'hata
大井:Oi / Ohwi
太田:Oota / Ohta
応田:Outa

 わたしは単純で、Hiroyuki TORII です。ミドルネームの A. は、物理の論文では使っていますが、あくまで自分で勝手に付けたニックネームに過ぎないので、パスポートには使えません。それから、ロシアに入国したときには、英文からの翻字でХироюки Тории(トリイ)となっていました。個人的には Торий(トリー, Toriy) とした方がロシア人っぽくて好きなのですけど。

でももしそう綴ると、とたんに自分の名前を格変化されてしまいそうで、「鳥居を」と言うときに、「トーラヴァ」とか言われそうで恐いが
(って、ロシア語を知っている人にしか分かりませんね。ロシア語では固有名詞も格変化するので、「モスクワ」「モスクヴィ」「モスクヴェ」などと変わります。同様に「浅草」なども「アサクス」「アサクセ」などとやられてしまうのです。「鳥居」を上の方法で綴ると、「トリー」の「イー」の部分が「チャイコフスキー」の「イー」と同様にみなされる可能性があって、ロシアっぽい反面、「チャイコフスキーを」が「チャイコフスカヴァ」になってしまうのと同じ運命に遭うかもしれない、ということです。)



関連文書パスポートの氏名翻字規則


鳥居のことばの館に戻る
鳥居のホームページに戻る