東大入学式

東大駒場キャンパスでは新学期が始まり、教科書販売所や銀杏並木は新入生・新2年生でごったがえしています。昨日(99年4月12日)は東大の創立記念日でだったので、嵐の前の静けさのように閑散としていたのですが、今日はすごい人。

さて、昨日のニュースステーションで東大の入学式を取材していました。私もそう言えば10年前、母親と一緒に武道館で写真を取ってもらおうとカメラを頼んだお姉さんがレポーターとは知らず、写真の後、見事にインタビューされて、近所の人の話では3分位写っていたのだとか、そういう過去を思い出してしまいました。当時の有馬総長(理学部物理学教授)は今や文部大臣兼科技庁長官です。ところで今年の入学式、なんと蓮實総長の祝辞は48分半も続いたのだとか。キーワードは「齟齬感」だったそうですが、聞いた人の感想は「長かった」だって。蓮見総長はもともと駒場のフランス文学の先生で、去年の3月に聞いた大学院卒業式での挨拶がすばらしかったことを憶えています。なにせ出だしが「とある晴れた日曜の午後、私はいつものようにコーヒーをすすりながら、ある外国の新聞に目を通していました。」といったような始まりで、さすがは文学者らしい、と思ったものです。でも、入学式や学部の卒業式は世間が注目するようなので、わりと型にはまったつまらない祝辞になってしまうようです。


さて、平成12年になり先日(2000年4月12日)にもまた入学式があったのですが、東京大学学内広報に載った蓮實総長の式辞に驚きました。なんと私が実験をしにしばしば滞在したCERN研究所の紹介が大半を占めていたからです。東京大学の研究者がいかに広範囲な場で活躍しているかを示す一例という位置付けで、現地を視察された総長の目で新鮮に語られている優れた文章だと思いました。

最近の総長式辞はホームページでも見ることができます。こちらをどうぞ。



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