33年ぶりの大出現かと騒がれた、98年11月18日未明の獅子座流星群の観測体験談を掲載します。なお、翌99年11月18日には1時間あたり数千個の大出現が実際に観測されたヨーロッパにいたのですが、残念ながらジュネーヴ(CERN研究所)上空は一面の薄雲に覆われ、流れていた白い物体は11月にして寒い寒い小雪ばかりでした。
流星群、上野公園で3時から5時まで見ていました。僕が確実に見たのは10個ちょっと。見たような気もするという暗いのも含めると20個弱でしょうか。雨あられという期待ほどの大出現にはならなかったようですが、これだけ見られたら満足でしょう。
みんな考えることは同じらしく、僕の半径30メートル以内に50人位の人達が立って、あるいは寝そべって夜空を見上げていました。上野公園の北半分の、僕が見た範囲内では全部で百人程度かなあ。おそらく僕は見た星の数としては多くないけど、最も多人数で楽しく見ていた人の一人でしょう。
流れ星は、僕が他の方向を向いていたり、よそみをしている間に、または僕は気付かないのに、周囲で歓声があがることもしばしばで、あるいは近くにいた50人のうちひとりだけに見つかった控えめな星もあったようで、そうねえ、全部合わせるとおそらく2時間のうちに50〜100個くらいにはなる勘定ですね。それにしても一人で40個も見えたKくんはよっぽど集中して見ていたんですね。
流星以外におもしろかったのは、やっぱりピープルウォッチングかな。家族連れや高校生(特に制服姿の女の子は寒そうだった)からおじいさんまで、あるいはたまたま通りかかってちょっと立ち止まって見て行く人とか(特に朝5時位に、日課のジョギングや自転車や犬の散歩に来た人とか)、反対に完璧な防寒対策と寝袋まで用意して寝転がって観測している人、沢山見つける目のいい人、逆にいつも見逃すついてないやつ、途中で民謡を歌いだすおじさん、とにかくさまざまで面白かった。でも人々の様子をちらっと見たすきに歓声があがったりすると悔しかったなあ。これもマーフィーの法則通り。
かろうじて見逃さなかったのですが、4時半頃に明るくて、南の空へ向かって流れたのがありましたね。流星痕が10秒位残ったやつ。
あと、発見としては、東京でも目を凝らしていれば結構な数の星が見えるんだ、ってこと。空が澄んでいてかつ快晴(後半やや薄雲が出てましたけど)だったこともあるでしょうけど、そもそも、眼鏡を掛けて夜空を眺めていたのもほとんど初めてのことだったもので。それから、人工衛星も2つ見つけました。あと、わ、白い大きな物体が流れた、あ、自衛隊の航空機3機か? あ、いや、あれは鳥だ。ってな勘違いもあったりして。久々に夜空を眺めていると、色々な発見があるものです。