福島第一原子力発電所の事故から歳月が経ちました。現地では、復興と帰還、そして廃炉に向けた取り組みが進んでいますが、事故にともなって広範な地域に放出された大量の放射性物質による環境汚染は、そう簡単に片付くものではありません。かつては社会的関心事だった放射線をめぐるリスクの議論も、必ずしも人々の科学的リテラシーを向上させたとは言えない状況の中、人々の意識も風化しつつあります。 放射線を理解するには、物理・化学・生物・医学・工学・農学・法律など様々な分野の知識が必要で、全てを網羅することは容易ではありません。放射線の基礎的知識に関する教育は十分とは言い難く、大学においても、広く一般の学生が系統立って学べる機会は限られています。
その貴重な機会を提供すべく、教養学部の教員が科学者・教育者の使命と意気込んで始めた講義が、今期で8年目の実績をもつ主題科目「放射線を科学的に理解する」です。3人の教員:鳥居・小豆川・渡邊を中心に、ゲスト講師として様々な分野の専門家を招き、放射性核種や放射線の物理学的性質から環境汚染問題、そして生物学的・医学的影響やリスクの考え方まで、幅広く講義を展開します。学際的な教養学部の強みを生かした講義で、科学的知識を体系的に身につけ、定性的および定量的に正しく判断する能力を養うことを目的とします。
理科生を主な対象としますが、意欲のある文科生も歓迎します。教員一同、熱意あふれる分かりやすい講義を心がけており、履修生からは、理解が深まり役に立つ授業だったと、毎年高い評価を受けています。
日時:金曜5限 (12/25 は火曜だが振替日)
場所:駒場キャンパス
講義内容:
関連講義 ★ 2016・2015年度Aセメスター:主題科目学術フロンティア講義「放射線を科学的に理解する」
(鳥居寛之・小豆川勝見・渡邊雄一郎ほか)
関連講義 ★ 2014〜2011年度冬学期:主題科目テーマ講義「放射線を科学的に理解する」
(鳥居寛之・小豆川勝見・渡邊雄一郎ほか)
関連書籍 ★ 書籍「放射線を科学的に理解する ― 基礎からわかる東大教養の講義」
(鳥居寛之・小豆川勝見・渡辺雄一郎 著、中川恵一 執筆協力) 丸善出版
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Last modified on 2018/12/25