概要:
放射線の特徴は、その高いエネルギーと電離能力である。これが物質の化学結合を切断し、DNAを損傷させる。原発事故以来、社会の関心事になっている放射線を理解するには、物理・化学・生命科学など多角的な知識が必要となる。
この講義では、放射線の基礎から始めて、放射線の測り方や人体への影響・リスク評価、医療などへの利用まで、幅広い理解を目指す。基盤となるのは、原子衝突領域と関わりの深い放射線物理学(荷電粒子・光子と物質との相互作用)である。単に教科書的な解説に留まらず、具体的に放射性セシウムやヨウ素の外部被曝・内部被曝の線量計算にまで踏み込みたい。また、放射性物質が放射線を出すのは、不安定原子核が崩壊(壊変)するからである。原子核構造を概観しつつ、α崩壊やβ崩壊の原理、原子力発電の仕組みについても述べる。
放射線についてなじみのない学生にも分かるように講義しますが、予め以下の著書の前半を読んでもらえると理解がスムーズに進むと期待します。既習者向けにも、放射線科学の通常講義とは違った新鮮な話題をふんだんに提供しますので、書籍も参考に、環境汚染の現況に則して定量的に考える力を養って下さい。
参考文献:「放射線を科学的に理解する」丸善出版、鳥居寛之 他 著
講義内容:
関連書籍 ★ 書籍「放射線を科学的に理解する ― 基礎からわかる東大教養の講義」
(鳥居寛之・小豆川勝見・渡辺雄一郎 著、中川恵一 執筆協力) 丸善出版
関連講義 ★ 東大教養:主題科目テーマ講義「放射線を科学的に理解する」
(鳥居寛之・小豆川勝見・渡邊雄一郎ほか)
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外部リンク ★ 原子衝突学会・原子衝突セミナー・第20回原子衝突セミナー
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Last modified on 2014/4/17