ローマ帝国の足跡
ヨーロッパを旅していると、どこへ行ってもかつてのローマ帝国がいかに巨大で強大な力を持っていたかに驚かされる。ローマ帝国の文化を代表する建築物コロッセオ
[colosseum](円形競技場)およびアンフィシアター [amphitheatrum](半円形劇場)。この遺跡が欧州の至る所に点在して残っているのである。そのうちのもっとも有名な物は言うまでもなく首都ローマ
Roma にある4層式のコロッセオであるが、少し北のヴェローナ Verona にも3層からなるコロッセオが、いい保存状態で街の中心にそびえており、毎夏この大理石の屋外アリーナで開かれるオペラフェスティヴァルは世界的に有名。ナポリ近郊のポンペイにも数々の家並みや神殿とともに小さな円形競技場および2つの劇場が、近代までヴェスヴィオ火山の灰に埋もれていたおかげで驚くべき良い保存状態で残っているが、この規模の街ですら「あまりに小さい街だったので」皇帝が訪れたことは一度もなかったのだという。
南フランスのアルル Arles [Arelate] にも立派なコロッセオが残っていて、リヨン
Lyon [Lugdunum] のアンフィシアターとともに、ローマが当時ガリア [Gallia]
と呼ばれたフランス地方にまで力を誇っていたことを示してくれる。スイス [Helvetia]
にも、ジュネーヴ Gen`eve [Genava] やニオン Nyon などでローマ時代の遺跡を訪れた。また、海を越えたイタリア・サルデーニャ
Saldegna [Saldinia] 島のカーリアリ Cagliari [Carales] にも半円形劇場が残っていた。そして東はなんと、バルカン半島にも。こちらはその後ビサンティン(東ローマ)帝国になるのだろうか。ブルガリアのプロブディフ
Plovdiv [Philippopolis/Trimontium] には立派な競技場、およびアンフィシアターが現存していた。
以上は私が訪れた遺跡だが、もちろんこのほかにも欧州各地にローマ帝国の足跡が点在しているのである。
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ローマのコロッセオ内観 |
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フォロ・ロマーノ(ローマ市の公共建築群) |
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ヴェローナのアリーナ |
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ポンペイ遺跡の円形競技場 |
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アルルのコロッセオからの夕景 |
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リヨンのアンフィシアター |
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カーリアリのアンフィシアター |
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プロブディフのアンフィシアター |
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書籍紹介: ヨーロッパの歴史(欧州共通教科書)東京書籍、F. Delouce
総合編集、木村尚三郎監修、花上克己訳
地図で読む世界の歴史「ローマ帝国」河出書房新社、クリス・スカー/吉村忠典監修、矢羽野薫訳
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