イタリア紀行

 ヨーロッパのいろいろな都市を旅していて、これはすごい、と感動した街が2つある。一つは北の百塔の街プラハなのだが、もう一つは何と言ってもローマである。街角を歩いていて、一つ路地を抜ければどーんとどでかいモニュメントが出現し、それがガイドブックにすら載っていなかったりするのだからタマゲた。とにかく街中の至るところに記念碑なり遺跡なりが建っているのである。さすがは欧州・地中海を制したローマ帝国の首都だっただけのことはある。

 気さくで明るい人達の住むイタリア、歌とアモーレと芸術の国イタリア。折しもワインブームにイタめしの流行で、或いは NHK語学講座の常識を打ち破ったテレビイタリア語会話の斬新さも手伝ってか、日本人の観光旅行はヨーロッパの中で近年フランスを抜き一番人気らしい。

 ジュネーヴからは、ヴァレーの谷経由でシンプロントンネルを抜けるともうイタリアである。マジョーレ湖を眺めながらしばらくするとミラノに到着する。ここまで4時間の電車の旅。ただし決まってこの電車は20分くらい遅刻する。国境検問で時間を取るためのようだが、ならばなぜ時刻表の方を改訂しないのだろうか。ともかく遅れを少しでも取り戻そうとするため全速力で駆け抜けるのだが、その割にはミラノで20分も停車している。 さて、電車はそのままブレーシャ、ヴェローナを通りヴェネツィアに到着。あるいはクロアチアのザグレブ行きの国際列車も走っている。

 ナポリは太陽と海がぎらぎらと輝く街。「ナポリを見て死ね Vedi Napoli e poi muori!」とは名言だが、北イタリアとは違った、庶民的な楽しさが街に溢れている。建物と隣の建物との間に掛けられたロープに洗濯物が翻っている光景がそれを象徴するかのようだ。しかし暑い。夏の暑さと湿度の高さは東京並みとも言える。夏の太陽がまぶしいのは緯度が高く乾燥して澄んだ空気のヨーロッパ全体に言えることだが(だからサングラスは必需品である)、アルプスの北と南とでは特に春と秋の気温が断然違う。例えば9月、日本が残暑にあえぐ頃、ジュネーヴではもはや肌寒いくらいで、ドイツではコートが欲しくなったりもするのだが、ヴェネツィアではみんな半袖一枚なのである。

 さて、ティレニア海の水の青さと言ったら形容のしようがない。海底の深さに応じてエメラルド色だったり透き通るような水色だったり、コバルトブルーだったりするのだが、とにかく「青い」のである。そう、あの iMac で言えばボンダイブルーや「ブルーベリー」の、あんな透明感があるのだ。ナポリ近郊カプリ島の「青の洞窟」(写真)はあまりに有名だが、サルデーニャ島の海(写真1)もまた、同じ「青」なのであった。


イタリアの有名な街  太字は私が訪れた街)


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