ビールに蠅が入っていたときの反応に見る国民性

 ヨーロッパは、国によって国民性がいろいろ違って、それがまた風刺やジョークのネタになる。もう昔の話だが、高校時代に社会の時間に使っていた「社会科資料集」という副読本のなかにおもしろい小噺が載っていたので記憶を頼りにここに紹介します。

 レストランに入ってビールを注文したところ、その中に蠅が入っていることに気づいてしまった。さて、その人はどう反応するだろうか。

それがアメリカ人なら、彼はウェイターを呼んで怒鳴りつけ、こんなひどい店には二度と来るものか、などと吐き捨てながら店を出ていってしまうだろう。もちろんお金など払うはずもない。

一方、イギリス紳士なら、なにも言わずに黙ってもう一杯注文し、そちらを飲んでから、ちゃんと2杯分払って帰る。

フランス人や日本人なら、事情を説明してもう一杯持ってきてもらい、それを飲んで、1杯分だけ払うだろう。

ドイツ人なら、しばらく蠅の入ったビールジョッキを眺めながら思案した後、アルコールには消毒作用があるから大丈夫だと納得し、少々怪訝な顔をしながらも、蠅を捨てた後のビールをごくごくと飲むに違いない。

ロシア人だったら、蠅などそんな小さいものなど気にも留めずに、ビールと一緒に飲み干してしまうかもしれない。

そして最後に、中国人のお客は、箸で蠅を高々とつまみ上げ、これは珍味と喜びながら食べてしまうことだろう。


 ちょっと極端かも知れませんが、いかにも「ありそう」で、文化の違いというか、国民性の違いというのは、おもしろい。

 それにしても、こんな過激な(だって、中国の人が聞いたら怒っちゃうかもしれないでしょ)表現が、高校の副読本に載っていたとはすごいことかもしれない。


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